研究概要 |
屈折レンズまたは,合わせ鏡を回転させ,撮影される映像にTVカメラの受像面に平行な円運動を加えることで三次元計測をおこなう手法を開発した.本手法は,1枚の画像に運動を含む三次元情報を記録するので対象が動いている場合にも計測を行うことができる.また,1台のTVカメラを用いるため,ステレオ法のような画像間での対応点の検索を必要としない.本研究では,流体中に混入したトレーサ粒子運動を計測器で計測することで,間接的に流れ場の三次元計測を行う手法を開発した.撮影されるトレーサ粒子は,画像上でらせん形の軌跡を描き,らせん軌跡の位置および径より,トレーサ粒子の三次元位置を,また,らせん軌跡のピッチおよび径の変化量より,トレーサ粒子の移動速度を判断できる.多数のトレーサ粒子が画像内に存在する場合には,それぞれの軌跡が重なるが,重なった軌跡から自動的に軌跡を切り出し,解析する手法を開発した.また,計測性能の評価実験を行い,TVカメラから300mm以内の距離であれば,1%以内の誤差で計測できることを確認した. さらに,本粒子運動の計測技術を用いて,水質検査を行うことを試みた.具体的には溶液中で運動する多数の微小生物(淡水:ミジンコなど,海水:アルテミアなど)をコンピュータで一定時間追跡することで,微小生物の運動量計測と運動パターン分類(回転運動,分布状態など)を自動的に行う装置を試作した.すなわち,この装置を用いて,定められた時間・間隔毎に自動的に行い,微小生物の運動状態変化の定量化を行った.微小生物の速度,運動方向,姿勢を考慮したアルゴリズムを開発し,実験によりその有効性を確認した.
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