研究課題/領域番号 |
11793017
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研究種目 |
地域連携推進研究費
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
鈴木 孝治 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80154540)
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研究分担者 |
栗原 一嘉 (財)神奈川科学技術アカデミー, 常勤研究員 (20270704)
佐々木 真一 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (50317294)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
2001年度: 11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
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キーワード | SPRセンサー / オプトード / 化学エッチング / 近接場光学顕微鏡 / SNOM / 超微小化 / 光ファイバープローブ / 表面プラズモン共鳴センサー |
研究概要 |
表面プラズモン共鳴(SPR : Surface Plasmon Resonance)センサーを用いた免疫測定法では、血清などの試料中に含まれる他の生体成分が非特異的にセンサーチップ表面に吸着することから生じる検出値の誤差や検出感度の低下が問題となっている。そこで本研究ではセンサー表面の性質とタンパク質の吸着性の関係を追求し、非特異的吸着のない表面を設計・構築することで、様々な生体成分の定量、解析を正確に行うことのできるSPR免疫センサーチップの開発を行った。 まず、末端官能基の異なるチオール化合物(HS(CH_2)_<11>R)を金表面上に自己集合させた単分子膜(SAM)を形成した。続いて、表面の特性とタンパク質の吸着の相関を評価し、得られた知見から表面に特異的反応場を設けてセンサーチップの開発を行った。表面設計のアプローチは次の通りである。1)吸着を抑制したエチレングリコールユニット(R=(CH_2CH_2O)_3OH)と抗体固定化部位としてのカルボキシル基(R=COOH)を混ぜ合わせたSAM膜を作製する。2)測定感度を向上させるために、SAM表面へあらかじめ抗体を固定化したミクロスフィア(SG粒子)を導入する。3)これらのチップを用いて血清中のリポプロテインの定量を行う。 センサーチップの血清に対する非特異的吸着量を評価した結果、カルボキシル基の混合比が15%程度で血清が吸着しにくい理想的な表面が得られ、このチップは市販品(Biacore社製CM-5)よりも優れた性能を有することが明らかとなった。表面に結合した抗体により、特異的に血清中からリポプロテインを認識して複合体を形成し、濃度測定が可能なSPR応答が得られた。今後、これらのチップを用いた様々な生体成分の定量、解析が期待される。
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