研究分担者 |
入江 真行 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (20305775)
山中 昇 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10136963)
中峯 寛和 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70155810)
谷 眞至 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (60236677)
永井 祐吾 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (00172495)
谷村 弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10026990)
津秦 建治 公立那賀病院, 病院長
森脇 宏 国保日高総合病院, 病院長
樫谷 益生 国保古座川病院, 病院長
青木 洋三 国保橋本市民病院, 病院長
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研究概要 |
1.研究の実施状況:平成11年9月17日の本研究補助金交付決定通知を受け,連携施設との打ち合わせの後同年11月22日に全体会議を開催した.そこでの決定事項に基づき,同年12月から翌年3月にかけて,画像送信者を対象に病理標本作製の技術研修を行った.そして,遠隔病理診断に適応のある患者からインフォームドコンセントを得て,平成12年4月から新規3施設でも順次遠隔迅速診断を開始した.その後,本研究の終了する平成14年3月までに,計7医療施設との間で249例に遠隔迅速診断が試みられた. 2.遠隔病理診断実績:249例(453検体)での診断成績は,正診222例,誤診(良性・悪性の間違い)9例,許容診断6例,診断保留12例,送信・受信の支障2件,および機器の故障1件であり,許容診断も正診に含めた場合,正診率は96.2%と算出された.病理標本作製に要した時間は平均21.7分,1検体の診断に要した時間は平均7.8分であり,1検体であれば手術者が標本を提出してから診断を受け取るまで,平均29.5分を要したことになる. 3.地域における研究開発プロジェクトとの連携:平成12年1月に,「伊都地域の開業医と紀北分院の医療ネットワークを構築し,活用する試み」なるプロジェクトを通じ,伊都地方の開業医に遠隔病理診断の情報を開示した.しかし,遠隔手術プロジェクトとの連携については,適応症例がなく実施し得なかった. 4.本研究の評価と今後の展開:データの一部は地域の医師会に公開し,一般を対象としたアンケート調査も実施し,一定の評価を得た.実施症例数は着実に増加していることからも,遠隔迅速診断ネットワークを確立し手術中の遠隔病理診断を日常検査として定着せしめることに成功したものと考えられる.今後,診断精度の向上と診断時間の短縮を目指し,画像伝送をブロードバンドで行う可能性について検討している.
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