研究分担者 |
市場 俊雄 沖縄県工業技術センター, 研究開発部, 主任研究員
高嶺 房枝 琉球大学, 医学部, 助教授 (80045062)
野口 克彦 琉球大学, 医学部, 助教授 (70156181)
長嶺 勝 琉球大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (20189161)
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研究概要 |
活性酸素が加齢やガン、糖尿病、動脈硬化、炎症など多くの病態に関与していることが明らかになり、活性酸素を消去する抗酸化物質の適度な摂取はこれらの疾病予防、健康保持の重要な要因となってきている。本研究は抗酸化作用を有する沖縄産薬草を選択し、抗酸化成分の分析、薬理作用を検討し、これらの健康保持・疾病予防の抗酸化物質としての可能性を探った。薬草の抗酸化成分として、ベニバナボロギクからisochlorogenic acid, quercetin 3-galactoside, quercetin 3-glucoside, catechin, quercitrin, chlorogenic acidが同定され、モモタマナからcorilagin, chebulagic acidが、ボタンボウフウからchlorogenic acid, quercetin 3-rhamnoside, quercetin 3-glueosideが同定された。薬理作用では、ベニバナボロギク、ウコンイソマツは四塩化炭素肝傷害に対する保護作用を有し、グアバとウコンイソマツの抽出液、ならびに両薬草の抗酸化成分のquercetin, gallic acidはラット摘出心臓の虚血/再灌流による傷害を有意に抑制することが確認された。また、薬草の抗菌活性をスクリーニングしたところ、モモタマナに強い抗菌活性が見いだされ、その抗酸化成分はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に強い感受性を有することが示された。さらに、グアバ、ウコンイソマツ、リュウキュウヨモギ、ボタンボウフウはラット腹腔から単離したマクロフアージの産生するNO(一酸化窒素)生成を抑制し、特に、ボタンボウフウは強いNO合成酵素抑制作用を示した。これより、抗酸化作用を有し、種々の薬理作用を有するこれらの薬草は健康保持薬としての開発を検討して良い素材だと示唆された。
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