研究課題/領域番号 |
11832001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
阿部 純一 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40091409)
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研究分担者 |
吉野 巌 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (60312328)
懸田 孝一 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (70281764)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 音楽知覚 / 知覚的体制化 / 調性 / 拍節 / メロディ / 感性 / 認知心理学 / 認知科学 |
研究概要 |
本研究の代表者である阿部は、従来から、音楽知覚のメカニズムが、"リズム的体制化"と"調性的体制化"の2種類の処理モジュールを基盤としていることを実験的に立証してきており、かつ、それぞれの処理モジュールのモデルを計算機上に提案してきている。本研究では、それら2種類の処理モジュールの出力がどのように統合されているのかをより詳細に明らかにすること、また、それら2種類の処理モジュールを統合するメロディ知覚モデルを計算機上に実現することを試みた。 本年度に行った実験研究の結果から、調性的体制化はリズム的体制化の影響を受けるが、リズム的体制化は調性的体制化の影響をあまり受けない、ということが明らかになった。このことから、メロディ知覚過程においては、リズム的体制化の結果を基礎にして調性的体制化が行われる、ということが示唆された。また、本年度は、この知見を基に、リズム的体制化と調性的体制化を統合する過程の計算モデルを提案した。そのモデルによるシミュレーションの結果は、音の高さのみを手がかりにした調認定モデルよりも、被験者の反応をよくよく説明することができた。現段階のモデルは、人間のメロディ知覚を説明する基本的な枠組みを提供するにとどまっており、また、西洋音楽のスキーマをもつ聴き手のモデルとしかなっていない。しかしながら、このモデルを土台とすることによって、今後は、音楽に関わる様々な認知現象を説明できるモデルを構築できる可能性が出てきたといえる。
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