研究概要 |
アクションインタフェースは,画像入力を利用した非接触型のインタフェースであり,ユーザの動作,すなわちアクションに応じてシステムがリアクションをする.ユーザの動作の検出は,入力画像内のセンサ領域の色解析によって行っている. アクションインタフェースはシステム構築が容易であり,さまざまな状況に柔軟に対応できる.本研究では,まずアクションインタフェースの応用例として,複数プレイヤによるゲーム,紙インタフェース,在席状況通信システム,プレゼンテーション支援ツール,そしてセンシングルームを開発した.さらに,アクションインタフェースにおけるフィードバック映像の提示効果を実験により評価した. 実験の結果,ユーザ映像を提示することによって,目的のアイコンまでの距離を把握しやすい反面,注意が分散してしまうことが分かった.しかし,手の位置に円映像等を重ねて提示することによって,注意の分散を軽減できることも分かった.また,シングルユーザの場合には,適切なアイコンサイズが存在し,マルチユーザの場合には,シングルユーザの場合よりも顕著に,より大きな提示映像が好まれることが分かった. 本研究では,ユーザの動作による入力インタフェースに着目したが,ユーザのより直感的インタフェースの実現のためには,音声入力との融合も欠かせない.さらに,状況によっては,音声や動作だけではなく,さらに多様な入力手段の中から最も利用しやすい手段を選択できるマルチモーダルな環境を提供することも重要である.アクションインタフェースを様々なシステムと融合していくことで,より良いインタラクション環境を実現していくことが今後の課題である.
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