研究課題/領域番号 |
11833005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
吉村 仁 静岡大学, 工学部, 教授 (10291957)
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研究分担者 |
千葉 聡 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10236812)
河田 雅圭 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90204734)
長谷川 孝博 静岡大学, 工学部, 講師 (40293609)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 種分化 / 性淘汰 / 個体ベースモデル / 強化 / 陸棲貝類 / シミュレーション / 数値解析 / 陸生貝類 / 陸性貝類 |
研究概要 |
本研究の目的は、生物の種多様性を創生する唯一の方途である種分化がどのような条件で起こりうるかを検証することである。この種分化のメカニズムに関する検証をシミュレーションによる理論的研究と化石や分子系統による実証的研究の二つのアプローチから行った。 特に、基本的な個体ベースモデルを作成して、性淘汰が種分化を引き起こすか、そしてその起こりやすさは性淘汰における形質分布とどのように関係しているかを検証した。その結果、従来のように生態学的地位(ニッチェ)の相違がなくても、メスの配偶者選択に起因する性淘汰のみで種分化が起こりうること、そして、個体群が分断隔離され配偶者選択にかかるオスの形質の変異が大きくなるにつれ、種分化の可能性が大きくなることを見出した。これは、種分化が、従来のように生態学的地位によって制限されたものでなく、無限に起こる可能性をしめしている。 この結果は、驚異的な種多様性を誇る一部の生物群集、たとえば、熱帯多雨林やアフリカ湖沼におけるシクリッド魚の群集のような群集が頻繁な種分化により可能になったことを示した。 このほか以下のように、この理論・モデルをもとに生物多様性・交尾繁殖行動に関する各種の理論・モデルを構築・解析した。(1)種分化が地理的な空間的配置・分布が氷河期などの環境変動を通して多種化を引き起こす大域的モデル、(2)分化した種の共存安定の仕組みに関する考察としての多種共存安定の格子モデル(草本群落)、(3)昆虫にみられる山頂集中行動の個体ベース交尾行動モデルのシミュレーション、(4)動物の性比の季節変異や安定性の定量的解析などである。
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