研究分担者 |
木村 貞治 信州大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (70252111)
西村 尚志 信州大学, 医療技術短期大学部, 教授 (10020926)
藤原 孝之 信州大学, 医療技術短期大学部, 教授 (40181416)
楊箸 隆哉 信州大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90191163)
三好 圭 信州大学, 医療技術短期大学部, 助手 (30293509)
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研究概要 |
介護保険制度の介護サービスを受けているケアハウス入所者とデイケア利用者の日常生活活動を物理的指標の一つである3軸加速度と日常生活および精神機能評価チャートを用いて比較評価した.加速度評価にはActivetracer AC-301 mkIII(アクティブトレーサー)を用いた.ケアハウス群12名(平均年齢73.8歳)とデイケアサービス利用者6名(平均年齢72.1歳)を対象として,それぞれ椅子(高さ40cm)からの立ち上がり(5回×3試行)及び歩行時(2分間の楽な歩行×2試行)の評価を行い,1秒ごとに平均合成加速度を記録し,それぞれの平均値をアクティブトレーサーのトリガー1,2とした.次に日常生活活動時におけるトリガー以上の平均加速度のカウント数と合成加速度の平均値を7時間記録した. ケアハウス群の歩行時の3軸合成加速度はデイサービス群6名のそれより有意に大きかった.しかし椅子からの立ち上がり時の合成加速度には有意差は認められなかった.トリガー1以上のカウント数はケアハウス群がデイケア群より有意に多かったが,トリガー2以上のカウント数に両群間の差はなかった. 要介護状態にない高齢者は要介護状態に陥った高齢者より合成加速度で見る限り歩行スピードは速いが,立ち上がり動作ではあまり差がなく,要介護1,2レベルでは立ち上がり時,歩行時ともに3軸合成加速度が低下している傾向にあった.また,日常生活活動評価(対象者26名)から,日常活動量の減少が精神機能まで影響を与えていることが示唆された.アクティブトレーサーによる評価と一般的日常生活活動評価を組み合わせれば,要介護状態の周辺から要介護状態にある高齢者の日常生活の自立性を評価できることが示唆されたが,今後さらに対象者を増やし,歩行不可能なケースに対する評価法を模索する必要がある.
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