研究課題/領域番号 |
11835019
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宮前 珠子 広島大学, 医学部, 教授 (10239436)
|
研究分担者 |
吉川 ひろみ 広島県立保健福祉短期大学, 助教授 (00191560)
田丸 あき子 広島大学, 医学部, 助手 (70314747)
水流 聡子 広島大学, 医学部, 助教授 (80177328)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 役割 / 生活時間 / 慢性障害者 / 生活満足度 / 生甲斐 / 高令者 / 作業 / 健常者 / 施設 / 高齢者 / 活動 |
研究概要 |
本研究の目的は、慢性の障害あるいは高齢のために役割喪失に至った障害者の新たな役割獲得を支援するための方法を開発することである.本研究では「役割」を、「日常習慣的に行っている作業」と定義し、11年度は施設に生活する高齢者を対象に、12年度は20代から80代の健常者を対象に、平均的1日、週単位、月単位、年単位に行っている作業とその意味を聴取し分析考察した. 対象:10代後半から80代前半までの健常者97名に、半構成的インタビューにより、起床から就寝までの作業を尋ねた後、各作業に対する外的期待・内的期待の有無、価値の程度(5段階)、楽しさの有無について聴取し分析した.結果:分析対象とした作業数は延べ2073であり、内的・外的期待を併せ持つ作業は964(47%)、外的期待のみの作業は494(24%)、内的期待のみの作業は502(24%)であり、この比率は学生、主婦、労働者、高齢者の属性に関わりなくほぼ一定であった.次に内的・外的期待と楽しさの有無の組み合わせで作業を見ると大きく6つのパターンに分かれた.例えば、内的・外的期待・楽しみである作業は風呂、食事など、内的期待と楽しみな作業は新聞・雑誌、趣味、テレビなど、外的期待のみでしている作業は食事の支度、家事仕事などである.さらに、個々の作業に付与された個別的意味についてKJ法によりまとめたところ、作業は大きく42種類に分かれ、どの作業も、次の3種類の意味を含むことが分かった。即ち、(1)直接的・実用的意味、(2)情緒的・心理的意味、(3)社交的・社会的意味である. 以上のことから、慢性障害者の作業役割の再獲得を図るにあたっては、単に作業を名目的に考えるのでなく、本人が付与する内的・外的期待、楽しさ、意味を把握し、意味的側面からの作業バランスを考慮することが必要であるとの結論を得た.
|