研究課題/領域番号 |
11835025
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
衛藤 誠二 鹿児島大学, 医学部, 助手 (70295244)
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研究分担者 |
田中 信行 鹿児島大学, 医学部, 教授 (40041454)
緒方 敦子 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (40305123)
川平 和美 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (20117493)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 脳卒中 / 磁気刺激 / 集中訓練 / 片麻痺上肢 |
研究概要 |
ヒトにおいて、PETや磁気刺激を用いた研究で、脳の機能局在や興奮性が大きく変化することが確認されているが、その可塑性の大きさに比べて脳卒中患者の上肢機能の回復は良くない。我々は、片麻痺上肢への集中訓練を行って、大脳皮質の興奮性の変化を、磁気刺激を用いて検討した。 脳血管障害患者27名に、通常の作業療法のみを2週間、集中訓練を2〜6週間行い、上田上肢グレード、ブルンストロームステージ、STEF(simple test for evaluating hand function : 簡易上肢機能検査)を施行し、上肢、手指機能の回復の程度を見た。通常の作業療法の期間は、関節可動域やサンディング等を行い、集中訓練ではそれに加えて介助自動運動の形で共同運動から分離したパターンを1日500回以上反復させた。このうちの12例で、集中訓練期間の前後で経頭蓋磁気刺激を行い、MEP(motor evoked potential : 運動誘発電位)の変化を調べた。8の字コイルを用いて、患側の頭皮上を10〜20ヵ所刺激し、患側の母指外転筋から表面筋電図でMEPを記録し、その振幅の変化を見た。対象の12名をMEP振幅の変化によって、減少群1名、増大群4名、不変群7名の3群に分けた。減少群、不変群では、増大群に比べて、上肢機能の回復が比較的良い傾向があった。MEPの変化と上肢機能の変化を対比させてると、麻痺が改善し、上肢機能が共同運動レベルから分離する段階ではMEP振幅が増大し、手指が巧緻性を獲得する段階では、MEP振幅が減少する傾向があった。同様のことは、健常人における、複雑な運動学習の過程でも実証されており、四肢の機能回復や運動の習熟時に一般的に起こっている現象である可能性が高い。 片麻痺上肢への集中訓練時における、大脳皮質の興奮性の変化のパターンをつかむことができ、より良い片麻痺上肢の訓練法の開発に寄与できると思われる。
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