研究分担者 |
松永 篤彦 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (00286387)
長澤 弘 北里大学, 医療衛生学部, 助教授 (70265742)
白鷹 増男 北里大学, 医学部, 助教授 (60050639)
中村 彩 北里大学, 医療衛生学部, 助手 (10337991)
清水 忍 北里大学, 医療衛生学部, 助手 (90286386)
清水 和彦 北里大学, 医療衛生学部, 助教授 (60276178)
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研究概要 |
多変量解析の手法を用いて,理学療法の効果判定で用いられるテスト項目の選択論理を調べ,少数回のテストで効率よく治療効果を評価する方法を提案することを本研究の目的とし,以下のテーマで研究を進めた. 脳血管障害による歩行移動動作テスト項目の難易度順序付けの研究を発展させた結果,テスト項目を3潜在変数に集約することが可能であり,片足立ちテストにより各因子はそれぞれを70%程度説明可能であった. 脳梗塞患者のデータを用いて発症時所見で2年後の日常生活活動状況の予後予測が可能か解析を加え,構造方程式モデリング(SEM)が理学療法関連データにも応用可能であることを確認した. 人工股関節全置換術後の症例を2年間日本整形外科学会股関節判定基準とSF-36,筋力データによりSEMを行って,障害の因果関係を明らかにした. 心臓リハビリテーションの領域で,対象となる急性期心筋梗塞直後の症例の臨床症状と背景因子を統計的に整理した.次いで,機械的トレーニングを中心とした理学療法の適応と効果の評価法を論じた. 在宅介護症例を対象として,労働厚生省が提示する60例のモデル状態像が介護認定時の重症度評価に妥当なものかクラスター分析などの統計的手法で調べた.介護度が高くなると分離が困難となることが認められ,評価項目の尺度構成の再検討が必要であると考えられた. 一方,研究を進めるにあたり,文献および検索を行って,リハビリテーションの対象となる患者の予後予測に使われる統計手法を概観し,治療効果を見るには,どのような注意が必要かを調べた.また,エビデンスにもとづき有効とされる理学療法が現在どの程度存在するのか,コクランレビュー,リハビリテーション治療選択基準,Medlineを対象に検索を行って調査を行った結果、理学療法の基礎となるエビデンスがまだ十分でないこと,集録済み情報も検索法によって利用できないことが示唆された.
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