研究課題/領域番号 |
11837005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
鈴木 泰博 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (50292983)
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研究分担者 |
田中 博 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60155158)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | Abstract Rewriting System on multisets(ARMS) / 抽象化学系 / 分子コンピューティング / P Systems / BZ 反応 / Abstract Rewriting System on multisets (ARMS) / BE 反応 / 抽象化学反応系 / 膜計算モデル / マルチセット書き換え系 / 形式言語理論 / 数理生物学 / 化学生態学 |
研究概要 |
抽象化学系(Abstract Rewriting System on Multisets(ARMS))の挙動の解析、ARMSを用いた、新しい分子コンピューティングのモデルである膜計算モデルを提案し、その挙動と数学的性質を解析した。ARMSの挙動の解析については、自発的化学反応として生体システムとの関連が研究されているベロウソフージャボチンスキー反応の数理モデルの1つブルセレータモデルのシミュレーションを行い、ホップ分岐現象が再現できることを確認した。また、ARMSに一般に用いることが可能な振動現象のパラメータを発見し、そのパラメータが複雑系での重要な概念の一つである「カオスの淵」と深い関係があることをも発見した。また、反応に用いている化学物質のうち1つを界面活性剤のような膜物質とみなし、その濃度によって膜の生成、消滅が生じる系(Active Cell System(ACS))を構築した。ACSでは膜内の膜物質は時間とともに消失するように定義してあるため、各々の計算細胞系(膜に包まれた化学反応系)は外部から流入する化学物質を用いて膜物質を生産しつづける必要があり、自然に代謝様の現象が創発することが確認された。また、これらの計算細胞系内では淘汰進化が生じることも確認できた。また、膜分裂の際に反応規則に突然変異を加え、娘細胞に突然変異が入った反応規則を遺伝させていく系の実験では、最初は膜物質を多く作る反応規則が進化的に有利で大部分を占めているが、細胞が内部構造をつくるにつれ膜物質をあまりつくらない反応規則へと進化することが見られた。これは、細胞内部に膜の消滅により膜物質をつくる内部構造が出現するためである。こうした、単純な細胞から機能が出現してくる現象をも確認することができた。
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