研究課題/領域番号 |
11837007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
蔵本 由紀 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40037247)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 反応拡散系 / 多重スケール性 / 化学乱流 / リミットサイクル振動子 / 空間間欠性 / フラクタル / 時空カオス / 自励振動 / らせん波 / 位相モデル / 集団運動 / 引き込み現象 / 位相特異性 / 複素GL方程式 |
研究概要 |
非平衡散逸場に自発的に生じる時空的乱れ、すなわち時空カオスの原因とその性質を解明することは非線形科学の基本的課題の一つである。化学乱流(反応拡散系の時空カオス)の研究はとりわけ重要である。なぜなら、対象となる反応拡散系が「局所相互作用をもつ非線形要素力学系の大集団」のプロトタイプとしての意義をもつからである。化学乱流の一普遍形態として、自励振動媒質における「位相乱流」は広く知られており、それが振幅乱流、欠陥乱流等と呼ばれる強い乱れへ遷移していく過程についても多くの研究がある。本研究は、近年本研究の代表者によって理論的に見出されたまったく新しい形態の化学乱流に関するものである。この化学乱流は発達した流体乱流や自己組織臨界現象(self-organized criticality)に類似した(しかし本質的な点で異なる)種々のスケール則によって特徴づけられ、きわめてロバストな現象であることが明かになった。 本研究において達成された成果は以下の4点にまとめられる。 (1)反応拡散モデルにおいてこのような特異的化学乱流の存在が確立された。 (2)その特徴である「自発的乱れの空間スケールに関するべき法則や空間パターンのいわゆる蒸発現象」が理論的に説明された。 (3)微分場(場の変数の空間微分によって定義されるスカラー場)に見出された自己相似的な空間間欠性についても理論を定式化し、かなりの成功を収めることができた。 (4)この種の乱流が反応拡散系をこえて非常に広汎な大自由度散逸力学系に普遍的な現象であること、その本質は要素間結合が実効的に非局性にあることが明かとなった。
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