研究課題/領域番号 |
11837015
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
那須野 悟 九州工業大学, 工学部, 助教授 (90228073)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 放電 / 局在構造 / 複雑系 / 大域結合 / 自己組織化 / 擬似粒子 / 相互作用 / 分岐 / 自己組織 / カオス的遍歴 |
研究概要 |
本研究では、理想的複雑系として、準2次元的低気圧気体放電系を構築し、系統だった実験的研究を行うことによって、複雑系の多様な振る舞いとそれを生み出すメカニズムの解明を試みることにより、複雑系へのアプローチを試みた。 本研究により得られたおもな成果は以下の通りである。 1.電極間隔d=100〜200mm、アスペクト比300を有する直流放電系において、直径約数mmの安定な粒子的局在構造が自己組織される。系内の粒子的局在構造の総数は、電流の総量とともに増えていく。 2.粒子的局在構造は、電流増加により静止状態から運動状態へ連続分岐する。 3.運動状態においては、たとえ単独であっても複雑な運動様式を示し、移動速度と方向には大きな揺らぎが現れる。平均移動速度は、気圧を一定に固定した場合には、放電電流総量にほぼ比例して増加する。 4.粒子的局在構造の間の相互作用は、電流総量と気圧によって、斥力的な力が支配的な場合と引力的な力が支配的な場合とがある。 5.引力的な場合には、粒子的局在構造は集まってひとつに融合するのではなく、個々の形を保持したまま多数凝集して高次の対称性を有する多様なクラスター構造を形成する。クラスター構造は、その内部構造と重心位置を複雑に変えながら時々刻々変化する。各気圧と電流総量および電極間距離に対してどのようなクラスター構造をとるのかを示す相図を完成させた。電極間距離を大きくすると時空的運動形態の複雑性は減少していく見られなくなる。 6.これらの豊かな時空構造の形成に"大域的結合"が重要な役割を果たしている。 以上のように、準2次元的低気圧気体放電系は、マクロな局在構造を自己組織化するとともに、それらの集団は複雑でありながら秩序化をなしている運動を示すことが明らかとなった。
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