研究課題/領域番号 |
11837016
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
林 初男 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (00108664)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 海馬 / CA3とCA1領野 / 周期刺激 / 電場電位応答 / シナプスの可塑的変化 / 多点同時記録 / カオス / ダイナミクス / CA3領野の周期刺激 / CA1領野の電場電位応答 / 時空応答 / CA3領野の自発リズム |
研究概要 |
本研究では、ラットの海馬におけるシナプス伝達効率の長期増強(LTP)とそれに伴う海馬の自発活動およぴ周期刺激k対する応答のダイナミカルな性質を調べ、次の点を明らかにした。(1)反回性興奮回路のLTPが自発活動の主たる原因である。(2)反回性興奮回路にLTPを起こしたCA3領野は、周期刺激に対して引込みやカオスなどのダイナミカルな応答を起こす。(3)CA3領野の局所領域でLTPを起こすことができる。LTPが亢進し自発活動が生じても、この局所領域は安定に保たれ、一つの記憶単位と考えることができる。(4)対側CA3領野からCA1領野への直接の興奮性投射は、対側CA3領野テタヌス刺激の影響をほとんど受けないが、同側CA3領野を経由した対側CA3領野からCA1領野への投射はテタヌス刺激で増強される。(5)同側CA3領野を周期刺激しCA1領野の表面から記録した電場電位応答は、周期刺激の周波数に大きく依存し、20〜40Hzの刺激に対してダイナミックに変化する。特に周期刺激を加え始めて数秒経過すると、負の応答の振幅が大きく揺らぐようになり、引込みやカオス応答が生じる。これはCA3領野のダイナミカルな性質によるものである。 以上の結果を総合し、反回性興奮回路が発達しているCA3領野にLTPが生じると、入力信号に対して引込みやカオスなどのダイナミカルな応答を起こし、それらがシャファー側枝の興奮性結合と介在ニューロンを介した抑制性結合を通じてCA1領野に投射されることがわかった。
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