研究課題/領域番号 |
11837019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 名古屋文理短期大学 |
研究代表者 |
吉川 祐子 名古屋文理短期大学, 食物栄養学科, 助教授 (80291871)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 長鎖DNA / 折り畳み構造 / 蛍光顕微鏡 / ポリアミン / ヒルトンH1 / レーザー / ヒストンH1 |
研究概要 |
生体の遺伝情報を伝えるDNAは、細胞内ではコンパクトに折り畳まれた凝縮状態で存在しており、細胞中で、その折り畳み構造をどの様に変化さるのかを解明することは、遺伝子の機能を明らかにする上で重要な課題であると思われる。そこで、蛍光顕微鏡や電子顕微鏡等種々の分光法を活用することにより、折り畳み構造を決定付けている種々の因子を系統的に調べ、DNAの高次構造が生物学的機能とどの様に国連するのかを追究した。 1.DNAの折り畳み構造と制限酵素感受性との間に高い相関がみられることを明らかにした。このことは、遺伝子発現のスイッチングの機構にDNAの折り畳み構造が関与していることを示唆するものとして興味深い。 2.哺乳動物から数十kbp以上の長鎖DNAを抽出し、ポリアミンによる折り畳み転移を調べた。その結果、各々のDNA分子は以前に観察したファージDNAと同様、顕著に不連続なon/off転移を示すことが明らかになった。このことから、DNAの高次構造は、DNAの種類よりもむしろ凝縮剤の種類や環境条件の違いが重要な決定因子となっていることが示唆された。 3.長鎖DNAにヒストンH1を作用させて折り畳み転移を調べた。結果として、長鎮DNAは、塩濃度に依存してヒストンH1の作用により、数珠状の部分凝縮構造をとることを見い出した。生体中のクロマチンにおいても、「脱凝縮」している部分ではヒストンH1が少なく、「凝縮」している部分ではヒストンH1が多く分布し、それが遺伝子活性と関連しているとの報告もあり、今後数珠状構造の生物的な意味を探ることは大きな意味があるものと考えられる。 4.3の研究の発展として、レーザートラップ法の応用も試みた。レーザーで直接DNA/H1複合体を捕捉し、高塩濃度-低塩濃度溶液間を搬送することにより、長鎖DNAのfolding/unfoldingの高次構造を制御できることを明らかにした。
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