研究課題/領域番号 |
11838015
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
和泉 徹 北里大学, 医学部, 教授 (80143775)
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研究分担者 |
猪又 孝之 (猪又 孝元) 北里大学, 医学部, 講師 (20311954)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | dendritic cell / myocarditis / cardromyopathy / hybridoma / myocardifis / hybridome / cardiomyopathy / cytokive |
研究概要 |
心筋樹状細胞は心臓における免疫応答において極めて重要な役割をもっている。心筋ミオシン免疫にて臓器特異的に惹起されるラット自己免疫性心筋炎(EAM)におけるこれまでの検討では、動員された樹状細胞が抗原提示細胞として抗原特異性T細胞クローンを賦活化し、初期病変を形成することが知られた。そこで今回の"自己免疫性心筋症における樹状細胞の役割に関する分子生物学的研究"においては、(1)ヒト心筋炎・心筋症での樹状細胞の役割、(2)in vivoやin vitro実験のための樹状細胞代替の作成、(3)心不全モデル動物での樹状細胞の役割検索、の手順で研究を進めた。結果は以下の通りである。 (1)ヒト心筋炎では、心筋炎急性期を中心に心筋樹状細胞が多数認められ、活動性心筋炎が遷延する症例ではそれに応じた心筋樹状細胞の浸潤を認めた。また、ヒト拡張型心筋症ではヒト心筋炎ほどではないものの、樹状細胞が出現した。細胞表面抗原(HLA・DR+,CD68・)や形態的特徴を検索したが、グローブ状の突起が見られない点を除けば、EAMの特徴と酷似していた。(2)次いで、ミオシン反応性T細胞を検出する目的でMHC抗原を提示するハイブリドーマ細胞を作成した。EAMラットからリンパ球を分離し、Balb/cマウスB細胞種(M12.4.5)と細胞融合しクローンMLEWを得た。この細胞を用い、EAMモデルにおいて抗原提示能をin vitroで検証したところ、EAMリンパ球は心筋ミオシンに特異的に活性化された。また心筋細胞傷害能も^<51>Cr放出活性試験により確認された。(3)また、心不全動物での樹状細胞の役割についても検討した。自己免疫応答を介した心不全増悪には病変形成T細胞のTH1化が強く作用しており、病態の寛解にはTH1からTH2シフトが働いていることが観察され、いづれも樹状細胞が関与していた。 これらの研究成果を受けて、(1)心筋炎・心筋症でのミオシン反応性T細胞の検出法の確立、(2)病変形成T細胞のTH1化モニター、(3)T細胞のTH1からTH2シフトの誘導と診断、を次の到達目標に掲げ、更なる研究をスタートしている。
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