研究課題/領域番号 |
11838020
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | (財)生産開発科学研究所 |
研究代表者 |
岸本 一郎 財団法人生産開発科学研完所, 成人病科学研究室, 研究員 (80312221)
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研究分担者 |
斎藤 能彦 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30250260)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | グアニル酸シクラーゼ / ナトリウム利尿ペプチド / 心肥大 / 心臓線維化 / アンギオテンシン受容体 / グアニル酸シクラーゼ(GC)-A / 心臓リモデリング / アンギオテンシン / ナトリウム利尿ペプチド受容体 / グアニリルシクラーゼ / 遺伝子操作マウス / 心筋梗塞 / 虚血・再灌流 / レニン・アンギオテンシン系 |
研究概要 |
Guanylyl Cyclase(GC)-Aは心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)と脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の受容体である。GC-A遺伝子欠陥マウス(KO)では野生型に比較して心重量・体重量比が著明に大きくまた心臓繊維化も明らかに亢進していた。われわれはこのマウスにおける心筋細胞肥大及び間質の繊維化について研究を進め、以下に述べる新しい知見を見出した。 1)GC-A KOの心臓におけるアンギオテンシン系の関与を検討する目的でこのマウスにアンギオテンシンII受容体拮抗薬を経口投与したところ、心肥大・心臓繊維化は著明に改善した。一方、ヒドララジンや6-OHDA投与では心肥大・繊維化の改善は全く認められなかった。 2)GC-A KOの心臓におけるアンギオテンシン1型受容体遺伝子発現を検討したところ、野生型と同程度の発現量が検出された。一方、1型及び3型コラーゲン遺伝子発現やTGF-b遺伝子発現は著明に亢進していた。 3)GC-A KOとアンギオテンシン(AT)1a受容体ノックアウトマウスの2系統のマウスを掛け合わせることによりGC-A(ナトリウム利尿ペプチド受容体)とAT1a受容体の双方を欠損したマウスを作製した。このマウスでは心臓肥大や繊維化はGC-Aノックアウトマウスに比較して減少しており、アンギオテンシン受容体拮抗薬投与の効果に一致する結果であった。 4)GC-A KOとGC-A心筋細胞特異的発現マウス2系統のマウスを掛け合わせることにより、心筋細胞にのみGC-Aを発現し他の非心筋組織(繊維芽細胞、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞など)にはGC-Aを欠損しているマウスが得られる。このマウスを解析したところ、GC-A KOの心筋細胞肥大が抑制されていた。この結果より、これまで不明であった心筋細胞そのものにおけるGC-Aの意義が解明された。 以上の検討により、内因性のナトリウム利尿ペプチド-GC-A系が心肥大・線維化に抑制的に働き心臓保護作用を有することが証明された。
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