研究課題/領域番号 |
11838022
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
斯波 真理子 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室員 (70271575)
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研究分担者 |
下門 顕太郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30192115)
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00130245)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / non-viralベクター / 共重合体 / PICミセル / HepG2細胞 / カチオニックポリマー / 肝臓 / ポリLリジン / ポリマー / DNA / DNAコンプレックス |
研究概要 |
安全で効率の良い遺伝子治療法の開発を目的とし、カチオニックポリマーであるポリLリジン(PLL)とポリエチレングリコール(PEG)の共重合体とDNAのポリイオンコンプレックスミセル(PICミセル)に関し、遺伝子導入ベクターとしての評価、条件の最適化を行った。PICミセルは陰性染色による透過電子顕微鏡写真では球状の小粒子(直径30〜40nm)を呈していた。粒子表面のz-potentialはDNA:PLLのチャージ比率が1:1のもので0、1:4のものでも5前後であり、カチオニックポリマーのみの粒子に比し低値であったことから、静脈内投与により血中安定性が高いと考えられた。PICミセルのターンオーバースタディより、PLLの長さは、19マーと48マーでは48マーのものが血中安定性が高く、DNAとPLLのチャージ比率は1:4〜1:8のものが1:1〜1:2のものより安定であることがわかった。in vitroにおける遺伝子発現をHepG2細胞を用いて行った。遺伝子発現効率は、チャージ比率が1:2〜1:4のもので最大であった。フリーのポリマーとのpreincubationにより遺伝子発現効率が低下したことより、PICミセルによる遺伝子導入は、カチオニックポリマーの静電相互作用によりおこるものであることが示唆された。in vivoにおけるPICミセルの遺伝子発現をマウスを用いて検討した。CMV-Controlを用い、チャージ比率が1:0〜1:6のPICミセルを上腸間膜静脈から投与したところ、1:4のもので肝臓に著明な活性を認めた。その他の臓器においては有為な活性の上昇を認めなかった。以上より、PICミセルは遺伝子導入ベクターとしてin vitroおよびin vivoで有用であることが示唆された。今後、PEGにガラクトースなどのリガンドを導入することにより、細胞特異的な遺伝子導入が可能になる。
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