研究課題/領域番号 |
11839002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
九郎丸 正道 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00148636)
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研究分担者 |
金井 克晃 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30260326)
林 良博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90092303)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 精巣 / ラット / セルトリ細胞 / 培養系 / 精細管 / ビスフェノールA / 精巣器官培養系 / 1日精子産生数 / 精細胞 |
研究概要 |
まず、本研究で使用するラット精巣・セルトリ細胞の微細形態および性状を把握することを目的として、モーター分子であるキネシンおよび細胞質ダイニンのセルトリ細胞内における分布を免疫組織化学法、免疫電顕法を用いて検討した。その結果、細胞質ダイニンはセルトリ細胞のectoplasmic specialization、ミトコンドリア、小胞体に確認され、特に微細管には著明な反応が認められた。一方、キネシンも同様の部位に反応が確認され、またその反応はステージ特異的であった。次にラット精巣より分離、確立したセルトリ細胞初代培養系を用いて、日常生活で汎用されるポリカーボネートの原材料でありエストロジェン様活性を示すといわれるビスフェノールAの添加実験を試みた。その結果、添加群において培養セルトリ細胞の著しい変性像が認められた。変性したセルトリ細胞内には巨大な複数の空胞、高電子密度の構造物等が電顕により観察された。また、これら変性セルトリ細胞数はビスフェノールAの濃度依存的、時間依存的に増大した。最大の影響は、最高濃度(1000pg/ml)、最長時間(6日)で認められた。いずれのビスフェノールA添加群も、生理食塩水のみを添加した対照群に比べ、有意に高い変性セルトリ細胞数を示した。このことから、ビスフェノールAはセルトリ細胞に対して直接的な影響を与えると推測された。引き続いてビスフェノールAの生体への影響を検討するため、雄ラットへの投与実験を試みた。ビスフェノールAを6日間連続経口投与し、8日後、36日後に採材して、精巣を光顕観察した。その結果、後者の精巣組織像において精子発生不全の精細管が確認されたことから、ビスフェノールAは経口投与によっても精巣に何らかの影響を与える可能性が示唆された。
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