研究分担者 |
三輪 和久 名古屋大学, 人間情報学研究科, 助教授 (90219832)
川口 潤 名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (70152931)
筧 一彦 名古屋大学, 人間情報学研究科, 教授 (90262930)
川上 綾子 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (50291498)
栗本 英和 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (40144125)
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研究概要 |
昨年度に続き本年度も今までに収集した漢字誤記のタイプ別分類(1)とその産出メカニズムの説明モデルの作成と、(2)さらなる自発書字における漢字誤記の収集を行った。さらに,(3)今までに収集した漢字誤記のデータベース作成と,(4)データベースの利用容易性の検討である。 (1)については,音韻、形態、意味の3つの基本要素を中心にそれらの組み合わせから生じる音韻+形態、音韻+意味、形態+意味、音韻+形態+意味、語順、部品欠損、その他の合計10タイプに漢字誤記は分類できることが明らかとなった。このような誤記の産出は3基本要素の心内辞書での活性化によるとする認知モデルは,基本的に変更する必要を感じなかった。これは,10タイプの分類で不可能とするような新しいタイプの誤記は生じなかったためである。 (2)について本年度行ったのは,(1)ベネッセ「赤ペン先生」に解答者が記載する赤ペン先生へのletterにおける誤記(この場合中学生が主な対象となる)。(2)大学生における約400名の自由記述タイプの試験答案における誤記(これは一人あたりおよそ2000文字以上の記述がある),(3)専門学校生におけるレポートおよび感想文における誤記を対象に収集した。(1)については,添削がネット上で行われる様態に変更されたために,途中で収集は断念せざるを得なかった。(3)および(4)に関しては,誤記を考慮した手書き入力デバイスへの支援ソフトに利便性の高い形式を模索中である。 本研究に関連の深いものとして,書字において情動価をどの様に伝達するのかに関する実験研究を行い結果を発表した。その内容は,漢字,平かな,カタカナなど表記のタイプと活字体の種類を変数にしたもので音声言語でのプロソディに相当する機能を書字でも行っていることを立証するものであった。
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