研究課題/領域番号 |
11871025
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
|
研究機関 | 福岡国際大学 |
研究代表者 |
清水 良三 福岡国際大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (40211289)
|
研究分担者 |
宇部 一 精華女子短期大学, 幼児教育科, 助教授 (50201356)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 重力対応姿勢指導 / 身体的軸の形成 / 客観的身体軸 / 心理的身体軸 / 臨床動作法 / タテ系動作法 / 教育的姿勢指導 / 高齢者起坐援助 |
研究概要 |
本研究では、健常成人を被験者として、非言語的心理臨床技法である臨床動作法の、特にタテ系動作法という重力対応姿勢を促進する技法により、坐位、膝立ち、立位の姿勢指導を行い、身体運動学的、筋骨格的姿勢変化を画像処理した結果、身体的軸が形成された(自分の身体の中に一本の軸ができた)という被験者の実感があるとき、胸部や腰部の反りや屈の状態が減じていることが明らかなケースと必ずしもそうでないケースがあることが示された。 次に、坐位や椅子坐位にて重力対応姿勢指導を行い、肩胸部位、背、腰部の筋電を測定したところ、やはり身体的軸ができたという被験者の実感があるとき、特に腰部の筋電量が増加するケースと減少するケースがあった。 いずれの場合も心理体験としてはこれまでにないリラックス感、安定感、安心感、適度な緊張感、開放感など、心理的健康増進の視点でポジティヴな心理活動が体験されたことがわかった。 これより、身体的軸の形成というとき、画像的に姿勢が真っ直ぐになる(客観的身体軸)ということだけではなく、見かけ上は真っ直ぐではないが心理的に真っ直ぐになっているという、いわば心理的身体軸の形成という要因があること示唆された。 このことは教育場面での姿勢指導や障害者や高齢者臨床場面で寝たきりにさせず姿勢を起こすという起坐援助が心理活動を活性化させるという臨床的知見を支持するものであるが、しかし単に見かけ上の姿勢を正すという姿勢指導ではなく、新たに心理的軸の形成という視点からの姿勢指導のあり方の研究が必要となることを示唆するものとなった。
|