研究課題/領域番号 |
11871051
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
齊藤 利男 弘前大学, 教育学部, 教授 (90162213)
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研究分担者 |
小口 雅史 法政大学, 第一教養部, 教授 (00177198)
誉田 慶信 岩手県立大学, 盛岡短期大学部, 助教授 (00310144)
鐘江 宏之 弘前大学, 人文学部, 助教授 (80272433)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 本願寺教団の北方布教 / 絵像本尊・六字名号・十字名号 / 布教と門徒団の移住 / 水の世界 / 絵像本尊・名号裏書 / 布教と住民移住 |
研究概要 |
本年度の調査・研究では、昨年の研究で具体的な成果を上げた室町・戦国時代における本願寺教団の北方布教・門徒移住の問題に、焦点を絞った。そして、本願寺教団の北方布教の基地であり、移住門徒の故郷でもあった北陸地方(加賀・越前)に重点を置き、この地域の一向宗寺院に、門徒集団の北方への移動・移住を物語る資料が残されていないか、発見につとめた。また、門徒集団の「移動性」の具体像を探ることにも力を入れた。調査の対象としたのは、本願寺蓮如教団の拠点越前吉崎(福井県金津町)と、周辺(石川県加賀市・小松市)の一向宗寺院であり、さらに、地元の研究者との交流を行う中で、資料の収集につとめた。その結果、判明した事実は次のようなものである。 1、吉崎を始め、福井・石川両県(越前・加賀)に分布する一向宗寺院には、門徒団の北方移住を物語る資料や伝承は、ほとんど残されていない。2、そうした中、小松市長崎の真入寺には、加賀から新潟をへて秋田への移住を物語る伝承が残され、秋田側(秋田市真敬寺)の資料ともほぼ一致した。3、移住門徒の故郷である越前・加賀の一向宗寺院分布地帯は、純農村というより、潟や河川の入り交じった「水の世界」であり、小松市長崎もそうした土地であった。この地方には東海三河からの門徒移住の伝承もあった。門徒移住のあり方は、農民集団の挙村移住ではなく、交通・運輸・商業・漁業などに従事する人々の一族・グループごとの移住というものだった可能性が高い。 以上が、昨年の調査結果をふまえた今年の成果である。今後は、今回の研究で確認できた事実が、どの程度の普遍性をもっているか、その究明が課題になると考える。
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