研究課題/領域番号 |
11873007
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
中込 正樹 青山学院大学, 経済学部, 教授 (30137020)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 非営利組織 / 価値の守護神 / 市民 / 市民社会 / 認識論 / 公共財 |
研究概要 |
本研究の目的は、従来の分析を超えて、市民社会的価値観の陶冶の場として、NPOの経済社会的意義を明らかにすることであった。具体的には、認識上の不協和モデルを出発点とし、自己の価値観を主体的に変化させていく人間像を、NPOの認識論的ミクロモデルとして展開しようと考えた。しかし研究を進めるうちに、こうしたミクロ的アプローチの限界性が見えてきた。その主要な問題は、近年の認知科学などで明らかにされつつある「間主観性」の問題である。つまり従来の素朴な個人主義的方法論を超えて、また安易な全体主義的方法論に陥ることなく、人と人との関係性の中で生きていく人間の認識論的活動の特性を明らかにする必要にせまられた。なぜならば、人間の価値観の変化は、個人の認識世界の中で孤立的におこなわれるものではなく、人間と人間の認識論的関係性の中で、はじめて強く深く大きな規模で生じるものであると考えられるからである。NPOの意味論的意義の分析も、この点を重視しておこなわれるべきであると主張したい。 本研究の具体的成果は添付の書類のように2点であるが、上述の視点からいえば、練り直しながらこの2月に出版した著作「意味世界のマクロ経済学」が、ここでの研究の最終的な成果である。間主観的な存在である人間とそのネットワーク構造の社会の大きなマクロ的ダイナミズムの中で、1つの公共場としてのNPOの意味論的意義が、はじめて大きな分析視点から明らかにできることを示した。
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