研究課題/領域番号 |
11874005
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊吹山 知義 (伊沢山 知義) 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60011722)
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研究分担者 |
金子 昌信 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (70202017)
渡部 隆夫 (渡辺 隆夫) 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30201198)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 整数論 / Koecher-Maass級数 / ゼータ関数 / 保型形式 / リフティング / テータ関数 / 微分作用素 / 格子 / アイゼンシュタイン級数 / 逆定理 / 半整数ウェイト / ディリクレ級数 |
研究概要 |
先に研究代表者は研究協力者林田秀とともに2つの1変数保型形式から半整数ウエイトのジーゲル保型形式へのリフティングの予想を与えた。これは、full modularについての精密な予想であるがレベル付きで考えれば次数2の志村対応(予想)とYoshida liftingの合成とも見なせる実素点での表現の対応を考えることにより、志村対応予想はベクトル値ジーゲル保型形式とスカラー値の半整数ウェイト保型形式の間の対応になる。(もっと一般の設定ではもちろんベクトル値対ベクトル値である。)このような観点から研究代表者はベクトル値保型形式の研究をすすめた。その結果ウェイトが行列式のk乗べきとm次の対称テンソル表現になっているものについて、m=2,4,6でkが任意の場合に保型形式のなすベクトル空間の構造を求めた。手法は、微分作用素、格子と球関数つきのテータ関数、アイゼンシュタイン級数などを用いる。しかし実はここでのゼータ関数の実例計算はなぜか志村対応、Yoshida liftingのlevel1での存在をまったくサポートしていない。このようなlevel1の特殊現象は精密に解明されるべきで、このためベクトル値に付随するヤコービ形式の研究などを始めている。またすべてのkとmについての大きな保型形式テンソル環という観点を導入しこの無限生成環がやさしい有限生成環に含まれるであろうという予想を提唱している。Koecher-Maass級数にliftingの存在を示す力があることはこの間のIkeda liftingの登場によりあきらかになったが、Koecher-Maass級数によりliftingを証明するという本研究課題の長期目標にはまだ遠い。しかし上で述べたような付随的な多くの結果により、研究課題の方向性の正しさははっきりしたと考えており、これまでの3年間の研究で、萌芽的研究としての研究初期の役割は十分果たしたと考えている。
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