研究課題/領域番号 |
11874027
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三宅 正武 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70019496)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 熱方程式 / 発散解 / ボレル和 / 非線形偏微分方程式 / 特異点 / ポアンカレ条件 / 収束解 / 非コワレフスキ型方程式 / 発散形式解 / ボレル総和性 / 一般超幾何関数 / 特異偏微分方程式 / 確定特異点 / ジュブレイ指数 / ニュートン図形 |
研究概要 |
本研究では複素偏微分方程式の発散解に対するジュブレイ漸近解析の研究、もっと具体的にはボレル総和可能性について調べる事が目的であった。これに関連して、形式解の収束問題と発散解のジュブレイ指数の決定問題も重要な研究課題である。これらの研究目的に対して、平成11年と12年の2年間において、以下の様な研究実績を挙げた。 1)ボレル総和性の研究。熱方程式の初期値問題の形式解は一般には発散することは良く知られているが、ボレル総和性の立場からの研究は全くなされていなかった。米国人数学者のルッツと独人数学者のシェフケとの共同研究において、この問題を研究し、熱方程式の初期値問題の形式解のボレル総和可能性の為の必要十分条件を初期値に関する条件として与える事に成功した。また、ボレル和が熱核による積分表示によって与えられるものに外ならない事も明らかになった。方程式の一般化は、独人数学者のバルザーとの共同研究でなされ、形式解のボレル総和性の為の十分条件が一般化された。また、得られた十分条件が必要条件でもある事が、方程式の形を制限した場合に成り立つことを、単独の論文において証明した。 2)形式解の収束性とジュブレイ性の問題。この問題について、白井朗との共著論文において、全く一般の非線形特異一階偏微分方程式の形式解について考察した。この共同研究において、一般の非線形偏微分方程式に対して、特異性の概念を従来のものよりも一般化したものを導入し、一般化されたポアンカレ条件のもとでの形式解の収束性と、この条件が満たされない場合の形式解のジュブレイ指数の特徴づけを与えた。この論文において、新たな優級数法を開発し収束性の証明を簡単化することにより、方程式を一般化させる事に成功した事は特筆すべき事と考える。
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