研究課題/領域番号 |
11874057
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野田 章 京都大学, 化学研究所, 教授 (20114605)
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研究分担者 |
岩下 芳久 京都大学, 化学研究所, 助教授 (00144387)
井上 信 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90028176)
山嵜 鉄夫 京都大学, ニネルギー理工学研究所, 教授 (70303906)
岡本 宏巳 広島大学, 先端物質科学研究科, 助教授 (40211809)
白井 敏之 京都大学, 化学研究所, 助手 (50252507)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ビーム冷却 / レーザー冷却 / イオンビーム / シンクロトロン放射 / ドップラー効果 / 挿入光源 / 自由電子レーザー |
研究概要 |
本研究では自由電子レーザーの波長可変性を利用して、種々の高速イオンビームをレーザー冷却する可能性についての険討を昨年度に引き続き深めてきた。今年度はがん治療に対する有効性が確認されている炭素イオンをレーザー冷却によりエミッタンス、運動量拡がり等のビーム特性が良好な状態で実現するための可能性に重点を置いて検討を行った。C^<3+>のレーザー冷却に必要とされる波長はドップラージフトを考慮しない条件では155nmであり、これを通常のレーザーで実現することは現状では不可能である。また、310nmのレーザーの倍波を用いる可能性も検討したが、波長200nm以下では窓を通過させることが困難であるので、倍波の発信器をレーザー冷却を行うリング中の超高真空中に設置することが必要になるという難点が存在する。また、155nmという短波長に耐えるグレーティングそのものの開発自身も大きな課題となっている。自由電子レーザーでは、短波長化が急速に進んでおり、現時点での短波長の世界記録は米国デューク大学の192nmとなっている。これは30MeV弱の炭素イオンであればドップラー効果を利用してレーザー冷却出きる可能性を示しており、また自由電子レーザーは超高真空のリング中で生成されるので、光導入のための窓の問題もない。今後、短波長化が進めば、がん治療のための炭素イオン加速のためのシンクロトロンが想定している入射のエネルギー数MeVでのレーザー冷却の可能性が高まると予想される。 但し、自由電子レーザーの線幅が通常のレーザーに比して広いため、レーザー冷却に適用するためにその縮減を図る必要があるので、エタロン等の光学キャビティーを用いる方法により線幅縮減の限界を探ると共に、FELの発振により劣化する周回電子ビームのニネルギー拡がりを、光学的確率冷却法を駆使して改善する可能性について、今後検討を進めたい。
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