研究課題/領域番号 |
11874104
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質変換
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
稲永 純二 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 教授 (50091244)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 無溶媒有機合成 / 固体反応媒体 / シリカゲル / アリル化反応 / Wittig反応 / ホーナー・エモンズ反応 / 固体有機ポリマー / 無溶媒合成 / 環境調和型反応 / 水素化反応 / ニトロ化反応 |
研究概要 |
環境に負荷をかけない新しい有機合成手法の開発を目指して、無機固体や固体有機ポリマーの有機反応媒体としての可能性を探求した。 I.カルボニル化合物のテトラアリルスズによるアリル化反応に対する固体反応媒体を種々検討した結果、以下のことが明らかとなった。 1.試験した無機固体の中で、含水シリカゲルの効力が特に優れており、その有効性はシリカゲルのメッシュサイズやポアサイズあるいはメーカーを問わない。 2.反応に用いたシリカゲルは再使用が効き、5度目の反応でも生成物を90%以上の収率で与える。 3.官能基選択性が高く、ケトン共存下でアルデヒドを選択的にアリル化することができる。 4.スズ化合物の使用は等量でよく、反応後スズは無機物となるので有害な有機スズを残さない。 5.固体有機ポリマーとしては、ポリアクリル酸が優れており、ベンズアルデヒドのアリル化を室温で定量的に進行させる。 6.しかし、反応に用いたポリアクリル酸の3回以上の再使用は収率の著しい低下を引き起こす。 7.2当量のアリル化剤を用いればケトンも高収率でアリル化することができる。 II.ウッティッヒ反応やホーナー・エモンズ反応の媒体としてシリカゲルが優れていることを見出した。いずれの反応も高収率で進行し、しかも、用いたシリカゲルは10回以上も再使用することができる。 上記とは別に、過塩素酸触媒による1-アセトキシ糖のグリコシル化において、多酸素官能基性化合物の存在が立体選択性に大きな影響を及ぼすことを見出し、二糖類の高立体選択的合成を達成した。 また、光学的に純粋なC_2-対称ピロリジノピリジン誘導体の合成に初めて成功し、これを触媒とするキラル二級アルコールの速度論的光学分割を実現した。
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