研究課題/領域番号 |
11874111
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
青木 優和 筑波大学, 生物科学系, 講師 (70251014)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 端脚類 / 社会性 / 繁殖行動 / 子守行動 / 海藻穿孔性 / 親子関係 / 甲殻類 / マイクロサテライト / 行動生態 / ヨコエビ類 / 繁殖生態 / 褐藻類 / 穿孔性 / フクロエビ類 / 子の保護 |
研究概要 |
本研究では、大型褐藻類に穿孔して生活するヨコエビ類を主材料としてその生態を調査し、社会性発展の程度や進化過程について解明することを目指してきた。昨年までのような野外調査や実験からは、個体群密度増大期の分散や移動の過程について、実際的な検討を行うことは不可能であった。そこで、今年度の研究では分子遺伝学的な実験手法の導入によって、分散や移動の過程について解明することを目的とした。研究対象はコンブノネクイムシにしぼり、研究手法として、マイクロサテライトマーカーを用いるISSR(Inter-Simple Sequence Repeat)法を試みた。この手法は親子判別や遺伝子交流の調査に有用でり、海藻内のひとつの巣の中の個体における親子関係の確認、海藻内の2つ以上の巣の間および離れた海藻株内の個体との間での遺伝子交流の調査を行うことを目標とした。これらにより、親子関係のみならず、造巣過程や分散過程の推定も可能なはずである。 この実験のため、アリ社会における遺伝子交流の先駆的な研究を行っている東京農工大学の施設を試験的に利用させていただき、核DNAの抽出には成功した。また、マイクロサテライトプライマーをつけてPCR法により増幅した遺伝子から、多型を取り出すことができたサンプルもあった。しかし、実験手法に習熟していなかったこと、時間的な制約があったことから、あともう少しではあるが、安定した結果が得られていない。これまでの成果をふまえて、もうしばらく実験を続ければ有用なデータが得られるようになることは、確実である。 本年度の研究結果は、2002年2月に行われる東京大学海洋研究所大槌臨海研究センターシンポジウム「葉上性甲殻類の生態学、課題と展望」の招待講演「大型褐藻に穿孔造巣する端脚類の生態」、2002年3月に東北大学で行われる日本生態学会大会の講演「寄主海藻によって変化するコンブノネクイムシの造巣と繁殖」、および2002年7月に筑波で行われるAlgae 2002の講演「大型褐藻類に形成されるヨコエビ類の巣について」において、発表の予定である。その他に、関連分野の研究についての雑誌論文も発表した。
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