研究概要 |
(1)ネナシカズラから単離した2種類のrbcS遺伝子(GrbcS1,GrbcS2)の翻訳開始点の上流領域(GrbcS1では1517bp,GrbcS2では1264bp)を植物への遺伝子導入用のベクターpBI101に組み込み、ネナシカズラのrbcSプロモーターとGUS遺伝子をつないだプラスミドを作成した。現在、アラビドプシスへの形質転換を進めつつある。 (2)ネナシカズラのcab遺伝子については、ゲノミックサザン解析を行ったところ、EcoRI 2.8kb,BamHI13kb,EcoRV 6.6kb HindIII 5kb,SspI 1.7kbの各断片にハイブリダイズすることが確認できた。したがって、ネナシカズラcab遺伝子は1コピーであることが示唆された。 (3)ネナシカズラのゲノムDNAを鋳型としたPCRによってネナシカズラcab遺伝子の増幅を試みた。ネナシカズラのゲノムサイズはヒトの10倍ほどもある巨大なものであるため、PCRによる増幅も困難であったが、60サイクル以上の増幅を行うことにより、cab遺伝子のコード領域を増幅・クローン化することができた。その結果、ネナシカズラcab遺伝子のコード領域にはイントロンが存在していないことが明らかになった。 (4)ネナシカズラcab遺伝子の上流領域については、PCR法による増幅ができなかった。そこで、ネナシカズラcab遺伝子の上流領域が存在すると考えられるHindIIIの5kb断片をクローニングするために、ゲノムDNAをHindIIIで切断後5kbの断片を抽出し、それをファージベクターλZAPIIにクローン化してゲノミックライブラリーを作成した。このライブラリーに対して現在スクリーニングを行っており、第2次スクリーニングまで進行中である。
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