研究課題/領域番号 |
11874119
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
三室 守 山口大学, 理学部, 教授 (40142004)
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研究分担者 |
菊地 浩人 日本医科大学, 医学部, 講師 (00224907)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 基準振動解析 / 光合成アンテナ系 / 動的構造 / セグメント / タンパク質構造 |
研究概要 |
光合成アンテナ系は色素-タンパク質複合体から構成される。色素は光エネルギーの吸収、移動を直接担うが、タンパク質は色素の電子状態を規定し、さらに光化学反応性も規定するため、アンテナ系でのエネルギー移動効率という観点からすれば、色素とタンパク質の相互作用が最も重要である。この具体的な内容を結晶構造を基に基準振動解析法を用いて、タンパク質構造の意義を探索した。 昨年度解析を行った基準振動解析によるフィコシアニン(PC)の動的構造と機能との相関に関しては投稿論文が受理された。この基盤の上に立って今年度は、異なる種類のフィコビリンタンパク質に関して解析を行った。 (1)PCに極めて良く似た結晶構造を示すAPC(アロフィコシアニン)については、PCで見いだした動的構造と機能との相関が適用できることが明らかになった。 (2)PE(フィコエリスリン)には5分子の、PCには3分子、APCには2分子の発色団が結合する。この結合サイトの安定性は光学特性に極めて重要な影響を与える。結合サイトには,発色団の電子状態の安定化のためにアスパラギン酸が必須である。PEには動的構造からはPC、APCに適用された原則が適用できないことが判明した。そうした発色団は2箇所でタンパク質と結合するが、それが安定化のためであるという戦略であることが判明した。 (3)動的構造と機能との相関を初めて明らかにすることができたので、今後は、基準振動解析の普遍性を追及する予定である。
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