研究課題/領域番号 |
11875005
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 静雄 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20135536)
|
研究分担者 |
船戸 充 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70240827)
|
研究期間 (年度) |
1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 励起子 / 励起子磁気光学効果 / 強磁性体薄膜 / ZnO / 多層構造 / 配向特性 |
研究概要 |
本研究は、励起子効果の強いZnO半導体と強磁性薄膜の多層構造という新しい機能の場を実現し、励起子光物性と磁性の強い相互作用により、巨大励起子光磁気効果の実現を図ることを目的に行った。結果を以下に示す。 1.ZnO半導体の垂直配向の制御のため、基板にはサファイアを用い、スパッタリングと分子線成長法(MBE)による成長を行った。 2.磁性薄膜にはMnOを選び、サファイア基板上でスパッタリングによる配向制御を行った。垂直配向のために最適な成長条件を検討するとともに、MBE成長に展開するための基礎的な成長特性を明らかにした。 3.ZnOおよびMnOの配向制御にとって、サファイアのa面を用いること、数度のオフ角を設けることが望ましいことが明らかになった。これを用いて多層薄膜の成長を行い、各層が1000A^^○程度の構造を得ることができた。多層構造の成長では、ZnO上にMnOの成長において界面制御が特に重要であることがわかった。 4.光物性評価により、ZnOに安定に励起子が存在し、強い励起子発光および励起子吸収が200K程度まで観測された。MnOの磁性との相互作用により、発光に偏光特性が現れ、励起子と磁性の相互作用が生じていることが明らかになった。 5.さらに強い励起子効果を得るため、ZnO/ZnMgOおよびZnCdO/ZnO多層構造に励起子を局在させ、磁性薄膜との相互作用を生じさせる構造を提案し、コヒーレント成長可能な構造設計を行った。 以上、励起子磁気相互作用のための新しい構造を提案し、それが作製可能なことを明らかにするとともに、励起子光物性の磁性による変調を実現し得た。今後、各層の配向特性と界面での非発光中心の低減、量子構造による励起子の局在により、低磁界での強い磁気光学効果への実現へと研究が展開しうる見通しが得られた。
|