研究概要 |
本年度の研究実績は,以下の通りである. (1)疲労破断以前に放出される微弱光は,疲労き裂の発生と成長に関連付く可能性のあることがわかった. (2)応力振幅60MPaにおいて, (a)中断なし,(b)平均き裂発生寿命(700サイクル)以前のN=500サイクルで5時間実験中断,(c)平均き裂発生寿命(700サイクル)以降のN=5000サイクルで5時間実験中断の3通りの実験を行い,破断寿命に与える影響を調べた.その結果,平均は断寿命は,(a)16000サイクル,(b)65000サイクル,(c)27000サイクルとなり,疲労き裂の有無に関わらず,エポキシ樹脂は実験を休止することにより,休止しない場合よりも疲労寿命が大幅に増加することが示され,エポキシの疲労損傷は可逆的であることがわかった.また,寿命の増加割合は,疲労き裂発生後では低くなるものの,非可逆損傷である『き裂』が生じても,疲労寿命は増加するという特徴的な挙動が確認できた.
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