研究課題/領域番号 |
11875040
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
設計工学・機械要素・トライボロジー
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研究機関 | 日本工業大学 |
研究代表者 |
三宅 正二郎 日本工業大学, 工学部, 教授 (70229813)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ナノスライダー / 層状結晶材料 / ファンデルワールス力 / 超硬質膜 / ナノテクノロジー / マイクロトライボロジー / 原子間力顕微鏡 / トライボケミカル加工 |
研究概要 |
原子オーダの摩耗を活用した高精度トライボプロセッシングにより、ナノトライボエレメントを試作し、その動作特性を実験的に検討した。(1)層状結晶材料のナノ加工:ナノスライダーを試作するためマイカ(白雲母)、二硫化モリブデンについてナノスケール格子溝の加工実験を行った。加工条件を適正化し、マイカ、二硫化モリブデン結晶の積層単位を加工単位としたナノ加工を実現した。この結果マイカおよび二硫化モリブデンについては、数十nmオーダの平面からなるファンデルワールス力で支持されたナノスライダーを形成した。一方、グラファイト(HOPG;高配向熱分解黒鉛)の加工を行ったが、底面の結合力が大きく、積層単位のナノ加工は困難であった。このため劈開面の積層ステップを活用し、それを起点としたナノスケールの面加工を実現した。(2)ファンデルワールス支持されたナノスライダーの動作確認:格子溝加工により形成されたマイカ、二硫化モリブデンのナノスライダーの中心部に低荷重でチップを作用させ、スライダーを構成する原子のクラスターがファンデアワールス結合部で移動することを確認した。また、HOPGについてはステップにチップを作用させると底面を折り畳むように変形することが明らかになった。(3)トライボケミカルナノ加工の実現:ナノスケールの微細形状創成技術として原子間力顕微鏡(AFM)を用いた加工を発展させ、トライボケミカル反応を活用した新しいナノ加工の可能性を検討した。シリコンについて原子間力顕微鏡(AFM)によるシリコンの隆起と除去現象を取り上げ,隆起高さと除去深さに対するチップ先端半径および荷重依存性を明らかにした。さらにナノ隆起加工特性及びそのメカニズムを追求し、隆起が雰囲気の水または酸素とトライボケミカル反応し、表面に酸化シリコンが形成されるモデルを提案した。
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