研究課題/領域番号 |
11875073
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 光 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90195800)
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研究分担者 |
高橋 昌男 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (00188054)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | XPS / シリコン / 窒化 / シリコンオキシナイトライド / 密度汎関数法 / SiO_2 / 窒素プラズマ / 低速電子衝撃 |
研究概要 |
低速電子衝撃によって窒素プラズマを生成する場合、10^<-3>Torrの窒素でもプラズマが生成することを見出した。窒素プラズマは、フィラメントからのエミッション電流に依存して3種類存在することがわかった。これらは、低密度黄色プラズマ、青色プラズマ、高密度黄色プラズマである。いずれのプラズマを用いてもSiO_2膜は窒化でき、10%以上の窒素を含有させることが可能であるが、青色プラズマを用いた場合、リーク電流が大きかった。一方、黄色プラズマを用いた場合リーク電流密度は低く、ゲート絶縁膜への応用が可能である。これらのプラズマを用いて二酸化シリコン膜を窒化した後、X線光電子分光スペクトルを観測した。観測された種々のN1sピークを、密度汎関数法を用いた第一原理理論計算と比較することによって帰属した。メインピークから4.5eV高エネルギー位置に観測されたピークは[N-(Si)_4]+によるもので、電気測定の結果から、固定電荷密度や界面準位密度とこの化学種が関係していることがわかった。また、理論計算とXPSスペクトルの観測結果から、次のような窒化の機構を得た。SiO_2とプラズマ中のN^+が反応して表面にN^+-(Si)_2が形成され、その後N^+イオンが薄膜内の電界に促進されて内部に侵入して、これがO-N(-Si)_2に変化する。この化学種が活性化エネルギーの山を越えればシリコンオキシナイトライドN-(Si)_3が形成される。450℃以下で窒化した場合、シリコンオキシナイトライド膜中にはO-N(-Si)_2が残存し、これを加熱した場合、SiO_2やSiと反応してさまざまな化学種が生成することも見出した。一方、450℃以上で形成したシリコンオキシナイトライド膜中にはO-N(-Si)_2は残存せず、これを加熱した場合には化学状態の変化はなかった。
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