研究課題/領域番号 |
11875097
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土木材料・力学一般
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
玉井 元治 近畿大学, 理工学部, 教授 (70088409)
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研究分担者 |
来田 秀雄 近畿大学, 農学部, 講師 (50088192)
江口 充 近畿大学, 農学部, 助教授 (40176764)
沖中 知雄 近畿大学, 理工学部, 講師 (90298985)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 多孔質コンクリート / 肥料 / ポリマー / 藻場造成 / 多様性生物 / 環境修復 / 生物多様性 |
研究概要 |
本研究は磯焼け現象で藻場が消失した海域や貧栄養化した海岸域に無機質の栄養素を多孔質材料(ポーラスコンクリート)内に挿入して沿岸海域に沈漬し、それらの栄養源を徐々に海域に溶出させ、藻場を再生または造成する方法を提案した。室内試験では無機系の栄養塩類を特殊なポリマーで2層構造としてシールし、コンクリートの製造時においても破壊されない状態として挿入し、肥料成分がコンクリートの強度や耐久性に与える影響について検討した。さらに実海域にこの種の多孔質複合材料を沈漬し、それらの機械的性質や藻類をはじめ各種生物の付着状態を照査した。これらの調査結果から、この手法は海岸水域の環境創造用材料としての利用が可能なることを示唆した。 具体的には次に示す内容の研究を実施し、それぞれ以下の研究成果を得た。 1)表面処理した粒状肥料が多孔質コンクリートの製造と硬化後の物性に与える影響につき調査した。 肥料成分をシールした粒状物を多孔質コンクリート内に混合挿入する手法を示した。また、硬化体の機械的性質として材令と圧縮強度をはじめ各種強度の関係を明らかにした。化学的性質としては、多孔質硬化体からの肥料成分の溶出状況を把握すると共に溶出量の制御方法を検討した。 2)自然海域に沈漬した肥料を混入した多孔質複合材料の諸性質 自然の海水中に上記の複合材料を沈漬した場合、強度等の機械的性質と肥料成分の溶出特性を経時的に調査した。その結果、骨材空隙への結合材量とその強度が複合材の耐久性と肥料成分の溶出に大きく影響することを明らかにした。 3)肥料を混入した多孔質複合材料への各種海洋生物の付着性状を検討した。 ポリマーで表面処理した肥料成分と鉄成分を多量に含有する鉄鉱石や転炉スラグを骨材として連続した空隙を有する多孔質コンクリートの硬化体への海藻類や小動物類の付着性状を調査した。 4)平成11年度から平成12年度に実施した研究結果を取り纏めた。
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