研究課題/領域番号 |
11875147
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡辺 忠雄 (渡邊 忠雄) 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40005327)
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研究分担者 |
川原 浩一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00302175)
五十嵐 友一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80005347)
連川 貞弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40227484)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 磁場 / アモルファス / 結晶化 / 粒成長 / 粒界微細組織 / 磁気特性 / 強磁性材料 / 焼結 / 磁歪 / 純鉄 / コバルト |
研究概要 |
強磁性材料の特性は、材料固有の物性ばかりでなく、微細組織にも著しく依存する。特に、実用多結晶強磁性材料においては、最も主要な欠陥である結晶粒界の影響を無視することはできない。したがって、優れた磁気特性を有する材料を開発するためには、粒界微細組織と磁気特性との関連を明らかにすることが不可欠である。その上で、望みの特性を発現させるために、粒界微細組織をいかに制御するか工学的に重要な問題である。本研究は、新しい粒界微細組織の制御方法として磁場作用に着目し、外部磁場を作用させた焼鈍・焼結による多結晶材料の粒界微細組織の制御をめざして行われたものである。本年度は、Co基アモルファス材料の磁場中結晶化と粒成長による粒界制御に関する研究を中心に進めた。これまでの磁場作用を利用した微細組織制御に関する研究は、主に多結晶材料が出発材料として用いられてきた。しかし、アモルファス材料を出発材料として磁場中結晶化・粒成長を行えば、核生成過程から粒成長過程にわたって磁場作用の効果が期待されるので、さらに精密な粒界微細組織の制御が可能となることが予測される。得られた結果の概要を以下に述べる。 本年度は、Co基アモルファス合金(Co_<83.1>Fe_<6.1>Si_<8.5>B_<2.3>)薄帯を用いて、0〜15kOeの磁場中にて結晶化・粒成長させ、得られた多結晶試料の粒界微細組織をFE-SEM/EBSP/OIM結晶方位自動解析装置で定量評価するとともに、振動試料型磁力計を用いて磁気特性の評価を行った。その結果、磁場強度の制御により粒成長の促進または抑制いずれも可能であることが明らかになった。また、印可磁場強度の増加とともに、結晶化Co基多結晶材料の飽和磁化、比磁化率は増加し、残留磁化、保持力は低下することが見出された。すなわち、軟磁気特性が向上することが明らかになった。以上のことは、磁場作用を利用した粒界微細組織の制御を通して磁気特性の向上が可能であることを示している。
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