研究課題/領域番号 |
11875150
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山口 正治 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029108)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | マグネシュウム合金 / 金属間化合物 / 変形 / 強度 / 析出硬化 |
研究概要 |
欧米の自動車産業におけるマグネシュウム合金の需要は、1993年以来年率20%の伸びを示し、この方面のニーズに見合った高温強度と耐クリープ特性に優れた新合金の開発が勢いを増しつつある。しかし、典型的なダイキャスト合金の使用上限温度は約130℃であり、希土類元素等の添加による析出硬化によって高温強度の向上が計られているが、希土類元素はMgと共晶系を構成し、その添加によって合金の融点が降下するという本質的な問題がある。耐クリープ特性を改善するうえでマトリックスの融点降下は問題である。これらの添加元素によって析出硬化を計るなら、析出物によってMgマトリックスは可能な限り有効に強化されねばならない。本研究では、この本質的問題をクリアし得る新しい耐熱Mg合金の基本系としてMg-Sc系を取り上げ、本系をベースとする合金の相平衝関係と強度・変形特性を明らかにするための基礎研究を行なった。 Mg-Sc系にはB2型構造のγ相(MgSc)が析出し、Zrが添加されていれば、ZrがScを一部置換し、Mg(Sc、Zr)を形成して析出硬化に寄与する。しかもScの添加によってMgマトリックスの融点が上昇する。ScはMgの他にNi、CoともB2型構造の金属間化合物を形成する。これら金属間化合物もMgマトリックスと整合性を保ちつつMgマトリックスえお有効に析出硬化すると期待される。これらマトリックスに分散される金属間化合物の中で、NiScは特に興味深い特性を示すことが判明した。NiScは常温で変形能を有し、融点も1270℃と高い。本研究の目的は、高温強度に優れたマグネシュウム合金の開発であるが、検討した合金のいくつかは水素吸蔵合金としても興味ある性質を示すことが明らかになった。
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