研究課題/領域番号 |
11875151
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 宇宙科学研究所 |
研究代表者 |
佐藤 英一 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 助教授 (40178710)
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研究分担者 |
北薗 幸一 (北園 幸一) 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 助手 (20321573)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 変動磁場 / 磁歪粒子 / 複合材料 / 内部応力超塑性 |
研究概要 |
内部応力超塑性とは、クリープ変形中の材料に周期的な外的環境変化を負荷することにより、材料内部に誘起される内部応力が材料の巨視的変形を促進させ、超塑性が得られる現象である。従来の内部応力超塑性がすべて温度サイクルを付加するものであったのに対し、他の外的環境変化でもよいはずであるとの洞察の元に、本研究では、磁場サイクルによる内部応力超塑性の出現を試みた。すなわち超磁歪材料であるTafenol-D(Tb_<0.3>Dy_<0.7>Fe_2)を純Al中に分散させた複合材料を作製し、磁場サイクル中でのクリープ挙動を調べた。 粒径32μm以下のTafenol_D粉末(体積分率5%)とAl粉末を混合、圧粉、押出加工により焼結体とした後に、623K、24hアニールして組織を安定化させ、機械加工により丸棒型引張試験片を作製した。光顕観察およびXRDにより、Tafenol-Dが酸化せずにきれいに分散されていることを確認した。0.3Tの電磁石、200℃の炉、外力負荷機構、試料に貼りつけたストレインゲージにより、磁場サイクル中でのクリープ挙動を調べた。なお参考のため、この材料の熱サイクルクリープ挙動(熱膨張ミスマッチ超塑性)も確認した。 本材料は、473Kで応力指数10のべき乗則クリープを示した。423-523K、周期20sの温度サイクルでは、熱膨張変化速度は7x10^<-5>s^<-1>で1MPaのときひずみ速度2x10^<-7>s^<-1>の内部応力超塑性が観察された。一方、253K、0-0.3T、周期100sの磁場サイクルでは、磁歪変化速度は2x10^<-5>s^<-1>で1MPaのとき3x10^<-8>s^<-1>のひずみ速度が予想されるのであるが、得られたクリープ速度は10^<-9>s^<-1>以下であった。この実験結果は、理論的根拠はないものの、純形状変化による内部応力では内部応力超塑性は出現しないのではないか、ということを示唆している。
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