研究課題/領域番号 |
11875167
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
今野 幹男 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40125547)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 複合粒子 / 界面活性剤 / カプセル / 単分散 / 2分子膜 / 表面電位 / 複合微粒子 / 粒径分布 / 分散 / 凝集 |
研究概要 |
磁性体微粒子(Fe_2O_3、粒径約20nm)表面に2分子膜(1層目:オレイン酸ナトリウム、2層目:ドデシル硫酸ナトリウム)を形成させ、2分子膜間にモノマー(スチレンあるいはメタクリル酸メチル)を溶解し、過硫酸カリウム(KPS)を添加して重合反応を開始させた。磁性体微粒子はポリマーのカプセルに包み込まれるが、磁性体-ポリマー複合粒子の表面電位が不足しているため、カチオン性界面活性剤をさらに添加せずとも粒子間凝集を生じ、生成粒子径はサブミクロン〜ミクロンオーダーにまで達した。また、反応途中にカチオン性の界面活性剤を添加することで、微小粒子の発生をある程度抑制することができた。 表面に形成させる2分子膜の種類を1層目、2層目ともオレイン酸ナトリウムにした場合、生成粒子径は100〜200nmであった。オレイン酸のカルボキシル基はpHによって解離を制御できる。すなわち、反応初期に酸を加えておけば表面電位が減少し粒子凝集が起こり、その後塩基を加えれば表面電位が増大し大粒径のまま分散安定状態に達することが予想される。その方法を本系に取り入れたところ、粒子径は800nm程度と増大した。 開始剤、KPSの分解による硫酸発生速度は緩やかなので、系のpHは徐々に下がる。この時、粒子表面に両性界面活性剤を作用させておけば、これが徐々にカチオン化することで粒子表面電位の上昇が緩やかとなり、長時間に渡って粒子間凝集が起こることが予想される。この考えに基づき実験を行なったところ、800nm程度の粒子を得た。また、酸および塩基の添加により両性界面活性剤の解離状態を制御し、粒子間凝集の促進を図ったところ、生成粒子径は1500nmにまで増大できた。 以上により、諸条件を整えることにより、生成粒子径を制御できることがわかった。問題としては粒径分布が幅広であるということであり、それを克服することを今後の課題としたい。
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