研究概要 |
合成目標の大環状配位子をエーテル型からアミド型に変え,合成的研究を行った.すなわち,ネオクプロイン(1)とN-クロロスクシンイミドとを反応させて得られる2,9-ビス(トリクロロメチル)-1,10-フェナントロリン(2)を濃硫酸で処理し,1,10-フェナントロリン-2,9-二酸(3)を合成した.引き続き,化合物3を塩化チオニルで塩素化し,相当する酸塩化物4へと導いた.これを液体アンモニアと反応させることにより2,9-ジカルバモイル-1,10-フェナントロリン(5)を合成した.さらに,アミド5と酸塩化物4とを高度希釈法により縮合環化させようと試みたが,アミド5の回収に終わった.そこで,酸塩化物4と等モルのベンジルアミンとを反応させ2:2の縮合環化反応を行い,引き続き脱ベンジル化することにより目的大環状化合物を得ることを考えた.現在,前段階の縮合環化反応により得られた生成物の構造決定を行っている.
|