研究課題/領域番号 |
11875209
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
野瀬 卓平 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20016405)
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研究分担者 |
猪股 克弘 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80232578)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ブロック共重合体 / 会合 / 異常ミセル / 光散乱 / 溶液 / 磁場勾配パルスNMR / 膨潤ミセル |
研究概要 |
ミセル形成開始条件下でしばしば観測される「異常ミセル化」は、臨界ミセル温度近傍の弱い会合では常に予想されるコアの膨潤による一般的現象であると考えられる。本研究では、この考えを検証するために、臨界ミセル温度近傍での会合挙動を実験的に調べるとともに、理論的にもこの現象が起こりうるかを検討した。(1)ポリジメチルシロキサン(PDMS)とポリスチレン(PS)のジブロック共重合体(PDMS-b-PS)について、PDMSがコアとなるジクロロベンゼン/ベンジルアルコール混合溶媒中でその会合体挙動を光散乱で調べた。その結果、異なる挙動を示す3つの濃度領域が存在し、高濃度領域でのみ典型的な異常ミセル挙動が現れることが明らかとなった。(2)この溶媒系に加え、PSブロックがコアとなる溶媒系をもちいてパルス磁場勾配NMR法により共重合体のトレーサー拡散を観測した。その挙動の拡散観測時間依存性より、非会合体と会合体の重量分率およびそれらの間の交換の時定数を推算することが出来た。その結果、PDMSブロックがコアの会合体では数秒の時定数で交換が起こっているのに対して、PSブロックがコアの場合はこの時間スケールでは会合は強固で交換が起こっていないことが明らかとた。(3)さらに、中空・膨潤ミセルの模型を用い臨界ミセル温度付近でのミセル形成の理論的考察、計算機シミュレーションを行った。その結果、会合力の弱い領域において、異常ミセル現象に対応すると考えられる巨大なミセルの形成が起こりうることが示された。その巨大ミセルはコアの膨潤とそれによる大きな中空コアの形成によるものである。
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