研究課題/領域番号 |
11876012
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高浪 洋一 (2000-2001) 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (50243944)
松山 宣明 (1999) 九州大学, 農学部, 教授 (40108676)
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研究分担者 |
古屋 成人 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (10211533)
高浪 洋一 九州大学, 農学部, 教授 (50243944)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 病原細菌 / 簡易同定法 / TLC法 / GLC法 / Ralstonia solanacearum / Ervinia carotovora / PCR-RFLP / SDS-PAGE / 生理型 / 病原型 / PCR-RFLP法 / DNAトポイソメラーゼ利用 |
研究概要 |
植物病原細菌は形態的特徴に基づく情報に乏しいため、その分類・同定には長年の経験と知識とが必要とされる。本研究では、このような現行の植物病原細菌の同定法の簡便・迅速化を計り、生物学的により本質的な指標を求め、客観的で信頼性の高い同定法を確立することにある。以前からの一連の研究に基づき、アミノ脂質が菌種同定の指標物質として利用可能であると考えられた(直接コロニーTLC法)。シリカゲル薄層プレート上に顕れるアミノ脂質の各スポットのRf値は、菌種の同定に有効であることを明らかにしているため、世界的な重要病害であるRalsutonia solanacearum並びにErwinia carotvoraへの適用を試みた。これらの病原体には各種の生理型並びに病原型が存在し複雑に分化しており、それら分化型の識別は極めて困難であることが知られている。直接コロニーTLC法は種レベルでの識別、すなわち各種罹病植物体からの分離細菌の同定には有用なものの、種レベル以下の識別には限界があることを確認した。そこで、その有用性が認められているガスクロマトグラフィー(GLC)による菌体あるいは菌体外膜の脂肪酸分析および分子生物学的手法による各種のPCR-RFLP解析を試みることにより、TLC法では識別が不可能であった生理型および各種植物に接種試験を行わなければ困難とされた病原型の明確な識別が可能となった。さらに菌体外膜のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)の解析でも生理型や病原型が識別可能になることも明らかにした。一方、上記の各種化学分類学的手法を駆使してBurkholdria vandiiがB.plantariiの同種異名であることを明確に証明することができた。以上のように、直接コロニーTLC法、GLCによる脂肪酸析、SDS-PAGEおよびPCRなどの分子技術の適用により信頼度の高い同定が可能となり、これら情報に基づいた、客観的な系統解析にも道を拓くことが可能となった。
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