研究課題/領域番号 |
11876024
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
阪井 康能 京都大学, 農学研究科, 助教授 (60202082)
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研究分担者 |
由里本 博也 京都大学, 大学院・農学研究科, 助手 (00283648)
加藤 暢夫 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50026556)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | メタノール資化性酵母 / 異種遺伝子発現系 / Candida boidinii / Pichia pastoris / オルガネラ / ペルオキシソーム / 液胞 / オートファジー |
研究概要 |
メタノール酵母単膜系オルガネラであるペルオキシソームと液胞は細胞内体積の大部分を占めているオルガネラである。我々はメタノール資化性酵母を用いて、強力な異種遺伝子発現系の開発に成功しているが、このような一連の研究過程で細胞内容量の30%を占める巨大なオルガネラであるペルオキシソームが液胞に取り込まれて分解されることを見いだし(Y.Sakai et al.,J.Cell Biol.,141,625(1998)オルガネラでの異種タンパク生産性向上を妨げていると考えている。しかるに、オルガネラの分解は、タンパク分解とは異なって細胞にとって容易な作業ではなく、液胞膜によって選択的にペルオキシソームを取り囲むという大変ダイナミックな細胞内膜のダイナミズムをともなう興味深い細胞現象である。この生命現象の分子機構を解明するために、前年度、同定したいくつかのPAZ遺伝子について、解析をを行った。PAZ6及びPAZ7は、これまで機能の知られていない未知のORFであったが、本年度の成果により、PAZ6では、マクロオートファジー、ミクロオートファジー及び液胞へのタンパク質輸送経路である両者に必要な遺伝子であったのに対し、PAZ7は、ミクロオートファジーと液胞へのタンパク質輸送経路であるCVT経路の三者ともが欠損していたのに対し、PAZ7は、マクロオートファジーには必要ないことがわかった。従って、PAZ7は選択的オートファジーにのみ必要な分子であるいことがわかった。また、細胞観察の過程で、単純に液胞がペルオキシソームを取り囲むのでなく、液胞が分断化を繰り返しながら、ペルオキシソームを取り囲んでいく様子をリアルタイムで捉えることに成功した。一方、ペルオキシソーム内に蓄積させるための有用な異種遺伝子産物として、フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FLOD)のみならず、アセチルスペルミジンオキシダーゼ、D-アミノ酸オキシダーゼなど、オキシダーゼ一般にペルオキシソーム内での有用タンパク質生産に有効であることが明らかとなった。
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