研究課題/領域番号 |
11876041
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木暮 一啓 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10161895)
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研究分担者 |
永田 俊 京都大学, 主態学研究センター, 教授 (40183892)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ビブリオ / 付着 / 徘徊 / 原子間力顕微鏡 / Vibrio alginolyticus / べん毛 / 徘徊運動 |
研究概要 |
海洋細菌、Vibrio alginollyticusおよびいくつかの菌のガラス板上への付着プロセスを定量的に解析するとともに、付着した菌の構造的な特徴を主に原子間力顕微鏡を用いて観察した。原子間力顕微鏡は、これまでこのような目的で細菌の微細構造を解析するために使われたことは殆どなく、本研究では方法論の開発に大部分の時間と研究費が投じられた。その結果明らかになったのは、以下の通りである。第一に、固体表面に付着させた菌、あるいはフィルター上に濃縮した菌を原子間力顕微鏡で観察するための最適条件を探った結果、固体としては雲母を、またフィルターとしてはIsopore Filter(Millipore)を用いることにより最善の結果が得られた。第二に、こうして調整した菌を原子間力顕微鏡で測定したところ、菌は主に脱水のために高さ方向に著しく変形していることが明らかになった。これは原子間力顕微鏡を用いて始めて明かにされた事実である。第三に、付着細菌の殆どが、菌体周辺に密集した繊維状の構造物を有し、かつその周囲に球形状の物質が存在することが確認された。繊維状の構造物はいわゆる線毛と考えられるが、その組成などは不明である。また、球状の物質は、対外分泌酵素と判断されるが、今後の検討が必要である。原子間力顕微鏡がいわば干物になった菌体を観察しているため、このような付着を行っている菌の徘徊の状態は必ずしも明瞭にならなかった。しかし、固体表面上の菌体の微細構造についてこれまで得られたいなかった詳細な解析を行うことができた。
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