研究課題/領域番号 |
11876046
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
矢野 友紀 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (90038266)
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研究分担者 |
中尾 実樹 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (50212080)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 環境ホルモン / 内分泌撹乱物質 / 生体防御 / コイ / 貪食活性 / 補体レセプター / CR3 / 抗ペプチド抗体 / TBT / 食細胞 / 補体 / 顆粒球 / アクリジンオレンジ / FITC |
研究概要 |
近年、深刻な環境問題となっている内分泌撹乱物質による海洋の汚染が、魚類の生体防御機構に与える影響を調べることを目的とした。魚類は哺乳類と同様に抗体などの抗原特異的免疫機構と、補体や食細胞などの非特異的免疫機構を備えている。昨年度に行った貪食活性(非特異的免疫)測定法を分子レベルで再検討するために、本年度は、補体C3が結合した異物の貪食を媒介するCR3に着目した。CR3のβサブユニットをコードするcDNAがクローニングされているので、その推定アミノ酸配列から二次構造を予測し、ループ構造をとり、分子表面に露出していると考えられる部位のアミノ酸配列に相当するペプチドを合成した。これをタツナミガイヘモシアニンをキャリアーとしてウサギに免疫注射し、抗ペプチド抗体(MC2)を作成した。MC2抗体は、ウエスタンブロッティングにおいて、コイ頭腎好中球およびリンパ球の分子量約95kDaのタンパク質を認識した。この分子量は、推定アミノ酸配列から計算したβサブユニットの分子量によく一致していた。興味深いことに、βサブユニットには糖鎖付加による見かけ上のサイズに多型が認められた。次にMC2抗体によるCR3の機能解析を試みたが、MC2抗体は白血球上のNativeなCR3には結合しないことが判明したため、当初予定していたTBT投与魚におけるCR3の発現変動を解析することはできなかった。現在、コイCR3のαおよびβサブユニットの組換え体の発現を行っており、組換え体を用いて新たに抗体を作成しなおす予定である。
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