研究課題/領域番号 |
11876073
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
白畑 實隆 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (90154377)
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研究分担者 |
照屋 輝一郎 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (10273971)
片倉 喜範 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (50264106)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 糖尿病 / 活性酸素 / 還元水 / 酸化障害 / 糖取り込み / インスイリン分泌 / アロキサン / 活性水素 / 糖取込 / インスリン / PI-3キナーゼ / 機能水 |
研究概要 |
糖尿病はインスリン分泌の低下を引き起こすインスリン依存性の1型と筋肉や脂肪細胞への糖取り込み障害に起因するインスリン非依存性の2型に主として分類され、いずれも活性酸素による酸化障害との関連が指摘されている。我々は水中の活性水素の微量定量法を確立し、電解還元水及び奇跡の水と呼ばれるある種の天然水が活性水素を含有することを明らかにした。つぎにラット筋管細胞L6およびマウス脂肪細胞NIH3T3/L1への糖取り込み速度が還元水単独またはインスリンとの併用処理により促進されることを見いだした。その作用機構はPI-3キナーゼの活性化とGLUT-4の膜へのトランスロケーションを伴うインスリンシグナル伝達経路の活性化によるものと推定された。還元水の糖取り込み促進活性と細胞内活性酸素消去活性との間には高い相関が認められれ、還元水中の活性水素により細胞内の酸化ストレスが軽減され、インスリンシグナル伝達経路が活性化されるものと推測された。高濃度のグルコース処理あるいは活性酸素発生剤アロキサン処理により細胞内への糖取り込み速度が低下したが、還元水はその低下を阻止できた。さらに、ハムスター膵臓β細胞HIT-15によるインスリン分泌が還元水処理により著しく促進されること及びアロキサン処理によるインスリン分泌能の低下が還元水により阻止されることを見いだした。これらの結果から、還元水は1型及び2型の糖尿病の予防及び治療に有効であることが示唆された。実際、レプチン受容体遺伝子に変異があるため食欲を制御できず肥満になり、糖尿病を発症する2型糖尿病モデルマウス(db/db)に還元水を自由飲水させることにより、耐糖能障害が顕著に改善されることが明らかとなった。以上の結果から、糖尿病の予防及び治療に還元水の飲用が有効であると推測された。
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