研究課題/領域番号 |
11877003
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉山 政則 広島大学, 医学部, 教授 (30106801)
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研究分担者 |
弓削 類 広島大学, 医学部, 助手 (20263676)
熊谷 孝則 広島大学, 医学部, 助手 (70274058)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | エレクトロポレーション / 骨芽細胞 / 磁石 / 磁性体 / 分化 |
研究概要 |
平成11年度において、微小磁性体(0.05mm直径)を導入したマウス頭蓋冠骨芽細胞(MC3T3-E1株)に対し、永久磁石(希土類磁石)を用いて細胞の水平方向に正磁場をかけたところ、その骨芽細胞(骨細胞に分化する)が両極方向に伸展することを観察した。その際、対照として、(1)磁性体を導入しないで磁場だけをかけたもの、(2)磁場をかけず、磁性体だけを導入しただけのもの、(3)磁性体も導入せず、磁場もかけないもの等について、細胞の増殖・分化度を顕微鏡レベルで解析した。その際、磁性体を導入し、かつ、磁場をかけた場合、上記対照細胞[(1)〜(3)]に比べ、細胞の結節形成能が早まることを見い出した。 そこで、平成12年度は、特に、ヒト骨芽細胞(normal human osteoblast cell system)を用いて、機械的伸張と磁場が細胞分化に及ぼす影響を観察し,かつ、分化にかかわる細胞内シグナル伝達系としてのMAPKカスケードについて調べた。その結果、、(1)〜(3)に示すコントロール群の骨芽細胞は、培養開始後12日後に最初の結節が現れ、25日で石灰化を検出した。ところが、磁性体を導入し、かつ、磁場をかけたものは、8日に最初の結節が観察され、18日目には石灰化が検出され,以後、石灰化が増加した。 また、磁性体を導入し、かつ、磁場をかけた骨芽細胞では、最終分化マーカーであるオステオカルシンの発現量が上昇し、MAPKカスケードに関しては、p38MAPKのみ活性が上がり、p44(Erk1),p42(Erk2)およびJNK/SAPKには変化がなかった.このように、本研究の成果として、細胞の進展のような、機械的刺激に対してはp38MAPKが特異的に応答する可能性が示唆された。
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