研究課題/領域番号 |
11877017
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊東 祐之 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80037506)
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研究分担者 |
尾上 均 九州大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70221166)
井上 隆司 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30232573)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | Ca^<2+>チャネル / 高電位活性化型Ca^<2+>チャネル / 血圧 / 抵抗血管 / dihydropyridine / R型 / T型 / L型 |
研究概要 |
血管平滑筋の筋緊張に重要な役割を果たすCa^<2+>チャネルに関して、高電位活性化型(HVA)でnifedipine(DHP)感受性のL型、および低電位活性化型のT型の2種類の電位依存性Ca^<2+>チャネルの存在が知られている。一方、血圧の調節には抵抗血管、すなわち直径100μm以下の血管が重要な生理的役割を果たすと考えられるが、これまで微小血管(<100μm)平滑筋細胞におけるCa^<2+>チャネルの研究は殆どなされていない。そこで我々はモルモット腸間膜動脈の最終分岐部から直径100μm前後の血管を顕微鏡下に摘出し、血管平滑筋細胞を酵素的に単離した。単一血管平滑筋細胞に全細胞型パッチクランプ法を適用しCa^<2+>電流を記録した。このCa^<2+>電流の一部はnifedipineにより抑制されたが、大部分はnifedipine非感受性で、しかも高電位活性化型であった。さらに血管の直径が減少するにつれnifedipine非感受性高電位活性化型Ca^<2+>チャネルが高密度に発現した。このCa^<2+>チャネルの活性化のキネティクスは高電位活性化型のR型に、不活性型のキネティクスは低電位活性化型のT型に類似していた。既知のL,N,P/Q型Ca^<2+>チャネルの選択的阻害薬は、このnifedipine非感受性高電位活性化型Ca^<2+>電流に全く効果を示さず、電位依存性Ca^<2+>チャネルの非選択的阻害薬であるCd^<2+>及びNi^<2+>に対してはR型類似の反応を示した。一方、T型の阻害薬は部分的にしかこのCa^<2+>電流を抑制しなかった。またRT-PCR法によりR型Ca^<2+>チャネルのm-RNAは検出されなかった。これらの実験結果よりこのnifedipine非感受性高電位活性型Ca^<2+>チャネルはR型ともT型とも異なる新型のCa^<2+>チャネルと考えられた。
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