研究課題/領域番号 |
11877018
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
福永 浩司 熊本大学, 医学部, 助教授 (90136721)
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研究分担者 |
宮本 英七 熊本大学, 医学部, 教授 (50109659)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | カルモデュリン / アポトーシス / 遅発性神経細胞死 / 脳虚血 / 一酸化窒素合成酵素 / 一酸化窒素 / 神経保護薬 / 海馬 / CaMキナーゼII / アストロサイト |
研究概要 |
新規カルモデュリン拮抗薬であるDY-9760eはin vitroにおいて種々のカルモデュリン依存性酵素を阻害する。白崎ら(第一製薬)はラット中大脳動脈閉塞モデルにおいて虚血に伴う神経細胞死を有意に抑制することを報告した。本研究では新たな作用機構を有する新規脳保護薬、DY-9760eのin vivoにおける作用点を明らかにすることである。マウス神経芽腫細胞N1E-115細胞においてカルシウムイオノフォア、A23187によって誘発されるNO産生に対する効果を検討した。1μM以下の濃度で有意にNOの産生を抑制した。このNO産生抑制効果と同じ濃度でDY-9760eはA23187によるN1E-115細胞からのLDH(lactate dehydrogenase)の遊離を抑制し、細胞保護効果を示した。さらに、砂ネズミの前脳虚血モデルを用いて神経保護作用と、虚血による海馬でのNO産生に対する効果を検討した。ラット中大脳動脈閉塞モデルと同様に虚血負荷による遅発性神経細胞死をDY-9760eは有意に抑制した。また、マイクロダイアリシス法で海馬内のNO濃度を測定すると、虚血直後、海馬でNO濃度が有意に上昇することが解った。このNO濃度上昇に対してDY-9760eは抑制した。これらのin vitroとin vivoの結果からDY-9760eはカルモデュリン依存性NOSを阻害することによって神経保護作用を示すことが明らかとなった。さらに、神経型、内皮細胞型NOSに対する選択性について検討する必要がある。
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